シリコンウェハー等の加工のための吸着に使用する「エアロフィックス」(新型の真空チャック)を開発した(株)ナノテムは、東経連の支援を通じて売上を倍増させました。東経連の支援の特徴点について(株)ナノテムの高田篤社長にインタビューを行いました。
東経連事業化センターによる支援の成果としては、新製品「エアロフィックス」の商標・ロゴを含めた総合的なマーケティング戦略がしっかり策定できたことが一番大きかったことです。最近、営業に力を入れている韓国でも、“あのエアロフィックスを作っている会社ですね”と言われることが多くなりました。ナノテム=エアロフィックスという印象が広まっており、手ごたえを感じています。また、幕張で開催された「セミコン・ジャパン」への展示支援も大変助かりました。あの経験が他の展示会への出展にも大変役立っております。
お陰様で、エアロフィックスは売上の大半を占める主力商品にまで育ってきました。特に、韓国の大手メーカーに採用されてきており、台湾も徐々に販路が開けつつあります。課題であった生産も工程改善で順調になってきており、受注に応えられる体制も出来てきました。それに伴い売上も大幅に伸びております。
加えまして、取引の拡大に伴い、お客様からの様々なカスタマイズ要請へ対応する必要があり、そのため、現場での提案力が相当鍛えられており、新たなお客様の開拓等にも大きく役立ち始めています。
さらに、当初は想定もしていなかった除電効果により、エアロフィックスを導入するとイオナイザーが不要になり、その分お客様の投資負担が軽減されるという副次効果も判明するなど、さらに商品として大きく成長する要素も出てきております。
エアロフィックスの模倣品・類似品も出始めておりますが、吸着力やチリ・静電気対応等で明確な差があり、一旦は取られたお客様も結局はわが社に戻ってきております。
一方、国内については、研磨、研削等の受託事業については伸び始めておりますが、エアロフィックスに関しては、小ロットでの見積もりはあるものの、なかなか商談にならないのが現状で、海外メーカーとの勢いの差を強く感じております。
今後の目標は、台湾と中国の市場開拓です。特に中国は市場も大きく、参入の仕方もしっかり考えないといけないので、東経連ビジネスセンターの指導を受けて取り組みたいと考えております。
長岡地区も2度の震災を経験しましたが、その話題でお客さんとの会話がし易く、入りこめるきっかけとなることもありました。今回は被害の桁が違う震災ですが、皆が真剣に話を聞いてくれるチャンスとして少しでも前に向かっていただければと思います。