世界最小のプラスティック歯車を用いたアクチュエーターを開発した(株)アイカムス・ラボ(岩手県盛岡市)は、東経連の支援を通じて、売上を2倍に伸ばし、成長軌道にのりつつあります。東経連の支援の特徴点について(株)アイカムス・ラボの片野圭二社長にインタビューを行いました。
一つ目は、知的財産支援です。特許出願をして補正を何度かしても中々権利化できない時に、東経連の酒井知的財産支援チームプロデューサー(酒井国際特許事務所所長)に相談し、権利化できました。権利化を機に大手企業との契約の締結に成功しました。東経連の特許支援なしでは、現在の(株)アイカムス・ラボはなかったかもしれません。この支援は当社の分岐点でした。
二つ目は、ブランディング支援です。大志田マーケティング支援チームプロデューサー(ブレイントラスト&カンパニー代表取締役)の支援により、当社のブランド・シンボルやスローガンを固めました。その後、シンボル、スローガンを用いたパンフレット、ホームページを製作し、展示会でもこれらを活かしたブース作りを行いました。シンボル、スローガンの商標出願も酒井国際特許事務所にお願いし、権利化できたので、本年度は、さらに本格的なブランディングに取り組みたいと思います。
三つ目は、法務支援です。石井知的財産支援チームディレクター(弁護士知財ネットワーク東北地区会議代表)は、単なる契約書にチェックにとどまらず、事業戦略、知財戦略を踏まえた契約書の締結の指導をしてくれました。
これら三つの機能は社内体制はまだまだ弱く、東経連の支援がありがたかったです。
大震災は、劇的に企業が変わるチャンスだと思います。ぜひ東北企業が「自主・自立」をキーワードに取り組む企業が増えて欲しい。中小企業も直接、顧客とつながり、マーケティング、知財戦略を確立した上で、大企業とアライアンスを組めば、高付加価値化が可能です。こうした中小企業が増えれば、日本もイノベーティブな国として大きく変わることができます。
これまで当社は製造業の要素技術の開発を中心に取り組んできましたが、今後は、成長分野である医療分野に対して「精密薬液制御用アクチュエーター」を柱に、高度医療を安価に提供することを目指して展開していきたいと考えています。